「妄想力」を高め、論理的に伝えるブログ

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「AI(人工知能)まるわかり」(前編)古明地正俊・長谷佳明 2017/3/24発行

最近はAI(人工知能)の言葉を聞かない日はない。これからの世の中をAIが変えていくだろうという事で、AmazonでAIの本を探して購入。野村総合研究所のアナリスト2名による著書。前編と後編の2回に分けて紹介します。

 

第3次AIブームの主役「ディープラーニング」の仕組み

ディープラーニングは人間の脳の神経回路を模範した「ニューラルネットワーク」を用いている。ニューラルネットワークは「入力層」「隠れ層」「出力層」という3層(もっと多い場合も)で構成されている。学習データをピクセル単位に分割・数値化し「入力層」に入力。この値に「重みづけ」をして、「隠れ層」のニューロンへ伝達。

「隠れ層」のニューロンがこの「重みづけをされた値」を加算し、その加算結果にさらなる「重みづけ」をして「出力層」へ伝える。「出力層」から出力される予測結果=正解データとなるよう、各ニューロンの入力に対して適切な「重みづけ」して学習データを蓄積していく。

第1・2次ブームまでのAIとディープラーニングの違いは、AIが画像などの学習データを分析して自ら設定や法則を見つける点。それまでのAIは人間が設定をするので、手間と時間がかかり実用的ではなかったのです。

 

ディープマインド社のアルファ碁を構成する3つの要素

囲碁の世界でトップレベルのプロに勝利したAI「アルファ碁」は、3つの要素を組み合わせている。

1)ディープラーニング

囲碁の盤面を画像として認識し、2,940万手の対戦記録を学習。

2)機械学習

打ち手の予想を高速で行う(ディープラーニングの1,000倍)

3)強化学習
1)で学習したシステム同士を対戦させて、買ったら加点、負けたら減点という方法で学習をして、勝敗を正確に予測する。

 

アルファ碁はディープラーニングだけでなく、2)と3)のような第1・2次ブームのAIの機能を組み合わせてつくられている。

 

AIが適用される3つの領域

1)音声認識
人間並みの認識精度で日常で活用できるサービスが提供されている

2)画像認識
画像の認識においては人間と同等に精度で認識しているが、動画の認識精度は人間に及ばない

3)自然言語処理
人間によって設定されたルールにより会話はできるが、人の会話を理解している訳ではなく、まだ研究段階

これらの機能を使ったサービスとして「Siri」「アマゾンエコー」「グーグルカー」「ヤマト運輸LINE公式アカウント」などが紹介されている。


サービス・モノ作りとITを融合させた4次元企業

著者の所属する野村総合研究所では、2,030年に実現される情報技術の特徴として3つの要素を重要視している。

R:リアルワールド(実世界)との融合
「IoT」のようにモノがデータ化されていくこと

I:インテリジェント化(人工知能
人工知能の活用そのもの

N:ナチュラインターフェイス
人間の声や身振り・手振りから、機械が情報をインプットする

 

この3要素全て、もしくは一部を有効活用する企業を4次元企業と呼ぶ。自動車業界を例として、「ライドシェアを実現させたウーバー・テクノロジーズ」「車の購入後に車載コンピュータをアップデートし購入後の利便性を高めたテスラ」「車を共有するカーシェアリングで物つくり企業でありながらサービスに注力するダイムラー」「ディープラーニングを活用した自動操縦車載コンピュータ向けシステムを販売する、パソコン部品メーカーのエヌビディア」を紹介している。

このように技術や物作りの枠を超えて、サービス分野に価値が移っていくと予測される。既存の産業の枠を超え、あらゆる企業と連携する事が求められる。

 

今日の妄想

以上が前編。専門知識のない私にも理解できる範囲で説明があり、興味をもって読めた。AIの研究は60年以上続けられ、今回の第3次ブームで実用段階になった。これから私のような一般ユーザーが利用するサービスに直接関わってくる。

自分はAIに仕事を奪われる事を恐れるより、AIを活用して楽しい未来を創る活動をしていきたい。その為に、AIのようなテクノロジーを使いこなす知識を持つ必要がありますね。(後編に続く)