「マーケット感覚を身につけよう」byきちりん
ちきりんのブログをよく読んでいる。「自分の頭で考える」というプロセスを示して、独自の切り口で情報を発信しているのが魅力。私もちきりんのように自分の頭で考えた事を発信し、実現したいのでこの本を手に取った。
マーケット感覚とは価値を理解する能力
価値のあるサービスが市場で取引される状況を想像する能力がマーケット感覚。市場とは不特定多数の買い手と売り手が、お互いのニーズを満たすよう価値が取引される場所のことである。
売っている商品ではなく、売っている価値を正しく認識することが大事。
例えば
お米→「食卓に不可欠な主食」という価値
スイカ→「おやつとして楽しめる嗜好品」という価値
両者では取引されている価値が異なる為、商売のやり方も異なる。
また、人々の求める価値は変化する。社会が変化する背景や、時代が求める価値の返還を理解し、新たに求められる価値を先駆けて生み出す能力は、学びによって身につけることができる。
インターネットによって相対取引から市場取引へ
以前は紹介やコネで取引する相対取引が主流だった。しかし、インターネットの普及によって、広い範囲で需要者と供給者がマッチングする市場取引へ移行している。アマゾンは電子書籍化を進めることで、販売価格を決める事ができるようになった。書籍の販売価格は法律で守られてきたが、グローバル企業の進出により市場化の波に飲み込まれている。市場に参加するプレーヤーが変わった時に、ルールがどう変わるか見極める力と、それに合わせて自分のスキルや専門分野をシフトさせる柔軟性や決断力が重要になってくる。
市場のシェアを上げることを目的にすると、逆にシェアが下がる人がいるゼロサム(合計が0)ゲームにしかならない。反対に潜在的な価値に気づいて新しい市場を作ることは、個人や世の中を豊かにすることができる。
マーケット感覚を鍛える5つの方法
①プライシング能力を身につける
潜在的な価値に気づき、自分独自の価値基準を手に入れよう。これから必要になるのは「感動させてくれる」「選んでくれる」などの価値に気づける能力。すでに値付けされている商品に自分も基準で値付けをするのも良い。
顧客が求める価値を想定してから、仕入れなどを設計して価格を決めていくのが市場の作法。つまり価格は顧客によって異なるのが当たり前なのである。
②インセンティブシステムを理解する
人間が動く理由や仕組み(インセンティブシステム)に対する深く洞察(物事の本質を見抜くこと)する癖をつければ市場の動き方が理解できるようになっていく。もう一つ、自分の欲望に素直に向き合うことで、他人の欲望も理解することができ市場での人の動きも分かるようになる。
③市場に評価される方法を学ぶ
市場化した社会では「作り込み能力」より「素早い行動力と迅速な意思決定」が重要。この変化を理解し市場型のアプローチに慣れていくようにしよう。
④失敗と成功の関係を理解する
「失敗の可能性が高いことはやらない」では成長できない。これからは「何を読むべきか自分で考え、取捨選択する力」が求められる。社会や学校から「この文章を読むべき」と決めてくれる時代は終わっている。40歳を超えると自分の行動に対して率直なフィードバック(FB)を得ることが難しい。しかし、市場に向き合っていれば率直なFBを得ることができる。「とりあえずやる→失敗する→市場からFBを得る→それを参考にもう一度やってみる」というプロセスを何度も繰り返すことが大事だ。
⑤市場性の高い環境に身を置く
ブログやツイッターは市場性が高いSNSなのでマーケット感覚が鍛えられる。市場性の高い都会でマーケット感覚を鍛え、地方で鍛えたマーケット感覚を利用して価値を生み出すアプローチが成功しやすくなっている。
マーケット感覚を身につけると変化を楽しめるようになる
これからは、規制によって非効率なままの市場が狙い撃ちされていく。満たされないニーズがグローバル企業などによって解消され、日本人がそちらを選ぶようになったら既得権益者たちも対応を迫られる。大事なことは、いち早く変化の兆しに気づき新しい価値を提供する方法を市場から(失敗しながら)学びマーケット感覚を身につけること。その利点は変化を恐れるのではなく、変化を心から楽しめるようになることだ。
今日の妄想
相対取引から市場取引への変化をハッキリと認識する事ができた。市場にさられる事でマーケット感覚を鍛え、変化を楽しめるようになるのだ。そして論理的に思考することで様々な課題を解決することができる。自分もブログとツイッターでマーケット感覚を鍛えてはいるのだが、少しづつしたアクセスが増えていかない。ちきりんのように市場で評価させるメディアになりたいと思う。
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